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1-鉄道模型の縮尺

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ゲージ論とも言います:

線路幅が標準軌1435mmの欧米HOゲージは、1/87縮尺で16.5mm軌間。 ところで・・・日本では、何故かJapanNationalRailwayで「汽笛一声新橋・・・」以来狭軌1067mmをスタンダードとして採用した。 すると、鉄道模型趣味・欧米方式の1/87なら模型線路幅12.26mmとなる。

ところが日本の汽車は欧米のそれと比較して、狭いレール巾に いっぱいな車輛巾をとってあると考えられていた。 したがって、戦後まもなくの復興期に創刊された鉄道模型趣味誌の主幹だった(故)山崎喜陽氏により、日本型16番ゲージが提唱された。すなわち、 16.5mm軌間に、1/87ならぬ1/80縮尺で鉄道車輛を作ろうと。これを併せて欧米のHOゲージとそれほど違和感なく併用走行できる、と考えられたようだ。 大人の事情としては以下:戦後の復興期の米国への輸出産業としてHOゲージの真鍮製鉄道模型というのがひとつの外貨獲得の手段だったらしい。それで、その輸出産業界を助けるためにというか国内向けにも同車軸で模型を作ってもらえるように、16.5mm軌間の採用が必須だったらしいのだ。

16番ゲージというのは、欧米のHO機と併走を目的としているので「欧米のHO機と併せて16番ゲージと呼称する」という提案だったと言うのが最初の意味だった(と思われる)。小生自身は欧米機は別々に走らせRocoの線路なので、HOゲージと呼ぶ。その続きで、endoなどの16番の線路を使っ ても欧米模型機はHOゲージと呼んでいる。

ところで1067mmの1/87縮尺は、12.26mmなので、12mm軌間HOスケール1/87なHOj ゲージが提唱されていて、増えつつあるようだ。 その理由は、日本のjnr, jr実車の線路幅は見るからに狭い幅でその狭軌感を模型でもそのまま反映させたいとの思いかららしい。現在、このスケール愛好家はいわば凝り性の方々で高級路線を目指しておられて、(価格的な面で)簡単に入門できないのが残念。HOjというのは、今ではHO1067と換えられているようだ。1067mm採用の鉄道で世界一長なのは南アフリカなので世界的にはCape(Town)軌間と呼ばれるらしくHOjならHOcにするのが妥当との判断のようだ。

それならって言うことで、1067mmの1/80縮尺(既に16番ゲージの採用が定着したために1/80の構造物、figure人など・・が流用可能)って、13.3mm軌間であるから、四捨五入した13mmゲージとなった。最近では16番ゲージの老舗endoが改軌パーツを発売している。

さてさて、鉄道模型発祥の地、英国ではOOゲージと言う規格がある。OOは、縮尺 1/76.2 (1footを4mmに変換するので、4mmスケールとも)・軌間 16.5mm。縮尺についてはまるめて1/76とされ、アイルランドを含む英国で最も普及。縮尺1/76を指してOOスケールとも呼ばれて、鉄道以外の模型・プラモデル・ミニカーでも使用される。 実物の鉄道の標準軌(1435mm)を1/76に縮小すると軌間は18.8mmと16.5mmより大きくなる。軌間16.5mmを採用のため標準軌の車両模型は「頭でっかち」なスタイルとなっている。これを是正するためアメリカでは異なる18mmあたりの軌間を採用した製品が発売され、後年にはEMゲージやP4ゲージなどと呼ばれているらしい。

また、OOゲージのナローゲージ規格として軌間9mmの「OO9」(ダブルオーナイン)などがある。

これらの英国の経緯を見本にすると・・・・日本のいわゆるがに股16番模型も許容範囲にはいるかなと思うしだいである。

1964年東京オリンピックの前年開業の新幹線は、標準軌を採用した。で1/87, 16.5mm軌間で模型化する。定義通り。

ところが戦後、1067mm以外に、1372mm・世界的標準規格1435mmを採用する私鉄が現れた。 前者は、京王電鉄で、後者は、京浜急行、京成、営団が作った地下鉄など。それで直通乗り入れすることを予定していた都営地下鉄はそれぞれに合わせてある。

これらの模型化は、 どうするか。決まっていないと思われるが、一般には車体巾にあわせるという考え方をとって(新幹線以外はホームの関係から車体巾が1067mmJNR規格をだいたい踏襲しているからだと思う。)いる模型が多い、すなわち1/80, 16.5mm軌間で模型化、と思われる。実はこの車体幅の問題では、相互乗り入れ車輌でもときどき話題になる。すなわち、駅のホームに車体側板を擦った とかなど。

Nゲージ vs 16番ゲージ:: 日本型Nゲージ(上記と多分同じ理由で1/150, 9mm軌間で模型製作;発売開始にあたって・・鉄道模型趣味誌の編集長に故加藤社長が逐一相談したとその雑誌に書いてあった)は、 筆者が大学1年次に発売開始されたと記憶している。

その当時は、toyishでとても嫌だったが。 最近は、とてもよく走り、とにかく二次元的(線路敷設平面など)には、150/80の2乗で・・・3.5分の1でよいのがすばらしい。最近の車輛は、とてもphotogenicになり写真(拡大)撮影すると別に違和感がなくなった。 それでも肉眼で持った感じのtoyishさは老人にはまだまだ。そして何より(plastic成形故、古いものは)消耗品 だ。コレクションが残らないというのは悲しい。ある意味それが塵にならずにいいのかもしれないのだが。

できのよい真鍮製電車気動車の存在感は老人の眼にはとても嬉しい。そして棚の上に鎮座している車輛から想像を飛ばして田園地帯を走行する姿。走行させなくてもcollection性、鑑賞性、存在感というのか、16番ならではしみじみ感。そして何より30年以上前のInsideGear仕様の車輛が注油と車輪gearの掃除でなんなく走行する。その五月蝿さがまたよいのだとか。ドイツで発祥したMaerklin-HOで言われるように 息子孫の代にまで伝えられると。これは日本製真鍮車にも(孫迄は?でありつつ・・・)言えそう。

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